第316章 お前が突破したら、私が学長になる

武道予選大會が、盛大に始まった。

各会場には、メディアの記者たちが取材に訪れていた。

群衆の中に紛れ込んだ劉大力も、ある会場で観察を行い、シード選手を選んで取材しようと準備していた。

しかし、しばらく見ていただけで、劉大力は危機を感じ取った。

どうやら...誰かに目を付けられたようだ!

魔武の制服を着た二人の武士が彼に向かって歩いてくるのを見て、劉大力は素早く反応し、相手が近づく前に瞬く間に姿を消した。三級上位の劉大力は、魔武の学生の中でも極めて強い存在だった。

逃げる気満々の彼を、普通の人では捕まえられるはずもない。

しばらくして、一人の女性記者が会場に入ってきた。証明書を確認する武道社のメンバーは、何度も見直した。実に...醜かった!

こんな醜い女性が記者として、誰に取材できるというのか?

それに、あのメイクは...もはやメイクとは言えず、ファンデーションを顔に投げかけただけのようだった。

...

検査を通過した「女性記者」はほっと息をつき、小声で呟いた。「私の足洗い水でも飲んでろ。私、劉大力がそう簡単に捕まるとでも思ったか?」

長年の追跡撮影のプロとして、八級強者の戦いの場所にも首を突っ込める彼にとって、魔武のような検査が緩い予選会場に潜り込むのは、お茶の子さいさいだった。

「方平...厚かましい奴め、権限を使って私を捕まえようとするなんて、本当に厚かましい!」

方平を罵りながら、劉大力の気分は少し良くなった。

あの目立ちたがり屋は今や四級で、飛べるようになった。自分はもう彼の相手にはならないだろう。しばらく隠れていた方がいい。

自分も少しお金を稼いで、丹薬を買って補助すれば、四級に進むことができる。そうすれば、あいつも自分をどうこうできないはずだ。

...

武道社にて。

方平は電話を切り、軽く鼻を鳴らした。「あいつは間違いなくまだ魔都にいる。きっと皆の目の前にいるはずだ。あいつは命より金が大事な男なんだから...」

彼方平の金さえ騙し取ろうとする男だ。劉大力の大胆さは想像に余りある。

今、武道大会が始まったばかりで、劉大力がこのまま逃げ出すとは、方平には信じられなかった。