第340章 魔武と京武は一家のように親しい

孔元榮は、抑えきれない悔しさ、無念さ、怒り、後悔、自責の念を抱えながら、リングから降りていった。歩くことすらできない状態だった。

とにかく感情が爆発寸前だった!

こんなのあんまりだ!

最初から最後まで、まともに戦いもせず、せめて一発でも重傷を負わせてくれれば納得できたのに。

お前は最初から最後までリングを破壊することばかりで、まともな試合になってない。こんな負け方は、方平に打ちのめされるよりも恥ずかしい。

そこへ方平が追い打ちをかけるように言った。「賭けのことを忘れるなよ」

孔元榮は「……」

孔元榮は一言も発せず、振り返りもせずに控室へと向かった。

……

控室にて。

西山武大の選手たちは互いに顔を見合わせ、しばらくして次の出場者が重々しく尋ねた。「戦うのか?」

全員が顔を見合わせた。これは…決めかねる問題だった。

皆が躊躇している中、西山武大の指導教官が入ってきて、低い声で言った。「リングに上がれ。力は温存しろ。だが、戦わずして降参するな!」

負けることは確実だった。

しかし、リングにも上がらずに降参するなど、武大の伝統にはない。

どんなに厳しくても、リングに上がらねばならない。たとえ上がっても負けるとわかっていても。

二人目が控室を出た後、孔元榮はため息をつき、すぐに言った。「みんな準備しろ。敗者復活戦だ!」

今回は仕方ない、運が悪かったということで、魔武に当たってしまった。

今は大きな怪我もなく、表面的な傷だけで実力は損なわれていない。天南武大よりもずっと強い。天南武大の宣繼業は重傷を負っている。敗者復活戦では、魔武には勝てないが、天南なら問題ないはずだ。

……

リング前。

西山武大の選手は、破壊されたリングを暫く見つめた後、空中戦を選択した。

方平は今、空中に浮かび、颯爽としていた。彼がボロボロのリングの上を歩けば、気勢が下がってしまう。

方平は相手を見ずに、審判に向かって言った。「先生、リングは修理しないんですか?」

審判は呆れた表情を浮かべ、しばらくしてから答えた。「間に合わない。このまま続行だ」

修理?

修理してまたお前に壊されるのか?

方平はこれを聞いて内心で文句を言った。けちくさい!

京武は、本当にケチだな。

……

二階。