第438章 捕まった

ハリネズミ獣の悲鳴が絶え間なく響き渡る。

狡は相手の不滅物質を貪り食っていた。

傍らの黃景は警戒を怠らず、状況を見て突然短剣を引き戻し、空を御して逃げ出した!

神兵による抑制が解かれ、ハリネズミ獣は瀕死の抵抗を始めた。

狡の眼差しに怒りが満ち溢れた!

しかし今は相手を追撃する余裕はない。黃景よりも守護者を貪り食うことの方が重要だ。

相手も禁地に対処する上で重要な要素の一つだが、人が逃げても構わない。どうせ希望城と禁地には関係がないのだから。だがバカ木の気配を帯びた短剣は持ち去られてはならない!

まだ剣で自分を斬ってもいないのに!

狡は狂ったように貪り食いながら、巨大な目で逃げる黃景を睨みつけ、怒りを募らせた。

このまま行かれたら、どうすればいいのか?

しかし守護者はまだ完全には死んでいない。今ここで完全に仕留めなければ、禁地に知られたら終わりだ。

黃景はどんどん遠ざかり、狡も焦り始めた。

まさか本当に妖木城まで行って一戦を交えることになるのか。行けば、戻って来られるかどうかも分からない。

追いかけたい気持ちはあるが、守護者はまだもがいており、不滅物質が大量に漏れ出して自身を回復している。

狡の目に怒りの色が浮かび、もう黃景のことは気にせず、専心して貪り食い始めた。

まず守護者を食い尽くし、それからあいつを探そう。

たとえ見つからなくても……禁地の門のそばにはよく知った奴がいる!

奴を見つければ、逃げたこいつも見つけられるかもしれない。

狡は黃景を見るのをやめ、ひたすら貪り食い続けた。

しばらくすると、ハリネズミ獣の抵抗が弱まってきた。

さらに時間が経つと、ハリネズミ獣は完全に動きを止めた。

金色の不滅の輝きも徐々に消えていったが、妖獣の死体は残された。

狡は今回無駄にせず、一口で飲み込んだ。血肉も骨も、すべて腹の中へと貪り食った。

最後に残ったのは、砕けた金色の頭蓋骨だけだった。

その頭蓋骨の砕けた傷跡は、短剣によって作られたもので、濃厚な妖木の気配を帯びていた。

狡は砕けた金色の頭蓋骨を一撃で地面に叩き込んだ。この時、黃景の姿はすでに完全に消え失せていた。

狡の目に思案の色が浮かんだ。相手はこれだけ逃げているのだから、追いつけるかどうかも分からない。