第500章 禁忌の海、初めて威を示す

この夜、極西の地で暴動が起きた。

薔薇王一行は途中でさらに一頭の七級妖獸を斬殺したが、それによって大きな騒ぎが起きた。

大量の妖獸が、この一団を追撃し始めた。

萬妖山禁地からも九品王境の妖獸が出動し、途中で追いかけていた。

方平と王金洋は細心の注意を払いながら、黙々と道を進んでいた。

方平は決意を固めた。今回界域の地でエネルギーストーンを手に入れたら、帰ってきて城を爆破するつもりだった。本当に惜しいことに、いくつかの王城には九品の守りがないようだった。

……

方平たちが極西の地を横断している間に。

天南都市。

南雲月一行も引き返してきていた。

今回は成果なく戻ってきたが、南雲月は非常に驚き、薔薇城の方向を遠くから見つめながら、つぶやいた。「薔薇城主はどこに?」

傍らで、張衛雨も異様な目つきで言った。「薔薇城にいない!」

「いないんだ……これは面白くなってきた!」

先ほど、この一団は一緒に出動し、薔薇城の二人の九品を襲撃するつもりだった。

結果、あと少しでその薔薇の花を包囲殺害するところだった。

後方のその城からの強者が時間通りに到着し、ようやく皆を撤退させた。

しかし今、状況はますます興味深くなってきた。

大戦の中で、全員が気づいた。薔薇王が姿を消したのだ!

以前、あの薔薇の花が狂乱状態だったとき、他の者はこの点に気づかなかった。相手は薔薇王がいないという事実を隠していた。

しかし今、全員が気づいた。薔薇王が姿を消したのだ。

現在、薔薇城の方では、何か動揺があるようだった。

一人の王境が突然姿を消した。どこに行ったのだろう?

薔薇の花は薔薇王が城を破壊した罪の首謀者を追いかけに行ったと言ったが、追跡に潜行が必要だろうか?

薔薇王は九品強者として、城を破壊した犯人を追跡するのに、何の動静も立てないだろうか?

南雲月たちがまだ疑問に思っている間に、西方の齧齒城から、一人の七品統領級の強者がすでにこちらに向かって急いでいた。二王を呼び戻すために!

極西の地で暴動が起きたのだ!

妖獸が城を攻撃し始めた!

統領級の強者は命を顧みず全力を出すと、速度も非常に速かった。