第39章 人も世も変わりし

考え込んでいる間、葉辰は自分が極めて強い殺気を放っていることに全く気づいていなかった。

  殺気は直接ホール全体を冷え込ませ、さらに凄まじい殺気が場にいる三人を包み込んだ。

  彼らの心中には激しい波が立った。葉名人の身からなぜこんな恐ろしい殺気が出ているのか!

  これは絶対に敵に回してはいけない存在だ!

  「葉さま、あなた……」朱老は本当に我慢できなくなり、かすれた声で葉辰を回想から引き戻した。

  葉辰はようやく目の前の数人に気づき、顔色を変え、急いで身から殺気を引き込み、謝罪した。「朱老、大丈夫ですか、さっきちょっとしたことを思い出して……」

  朱老は手を振り、新鮮な空気を数口吸ってから言った。「葉さま、そろそろ時間ですので、私たち三人もこれ以上お邪魔はいたしません。数日後のオークションには、人を遣わしてお迎えに参ります。失礼いたします。」

  彼は本当にここにもう一分も留まる勇気がなかった。目の前の青年が手を下すかもしれないなんて、誰にもわからないのだから。

  葉辰はうなずき、三人を見送った。

  その後、彼は目の前の薬材を見て、どうしたらいいかわからなくなった。

  煉丹爐がないと、丹藥の製造はやはり少し面倒だ。今はこれらの薬材を水に浸して吸収するしかない。

  効果は丹藥と比べるとかなり劣るが、ないよりはましだ。

  ……

  夜になると、葉辰はお腹が空いてきたので、湯臣一品を離れ、ビッグシティアパートに戻った。

  あそこにはあまり住みたくなかった。あんなに大きな家に一人で住むのは、寂しすぎる。

  アパートのドアを開けると、葉辰は孫怡がまだ帰っていないことに気づいた。

  彼は家の固定電話で孫怡に何度も電話をかけ、何があったのか聞こうとしたが、誰も出なかった。

  「あの子は一体何をしているんだ、何も言わずに。まさか家に何かあったのか?明日も連絡がなければ、町に探しに行くしかないな。」

  当時同級生だった頃、葉辰は実は孫怡の家に行ったことがある。当時、孫怡が校門の前で不良にからかわれていて、葉辰は楚淑然に「役立たず」と言われたことに怒ったのか、レンガを持って突っ込んでいった。