第80章 彼女に責任を取る覚悟がある!(推薦チケット募集中!)

電話の向こうの應擎は数秒間沈黙した後、突然、冷たい声が聞こえてきた。「師妹よ、すぐに飛行機で江城に向かう。覚えておいてくれ。絶対にその男とは接触するな。奴は極めて危険だ!それに葉辰の事件は全て手を引け。専門の者を派遣する」

「師兄、でもあなたの任務は……」

「俺の手の中の任務なんて、こいつほど重要じゃない。この葉辰とやらが一体どんな妖物なのか、見てやろうじゃないか!」

……

コウジョウ・ワンダ・プラザ。

葉辰は血のついた服を処分し、白いシャツを着て再びアルマーニの店に来ていた。

店長は葉辰を一目で認めると、笑顔で駆け寄ってきた。「葉さま、お洋服をお買い求めですか?」

葉辰は頷き、適当に二着の服を選んだ。

「包んでください」

「かしこまりました、葉さま。少々お待ちください」

間もなく、葉辰はアルマーニの店を出た。

スーツ一着と、カジュアルウェア一着。

カジュアルウェアは身に着け、スーツは包装してもらった。後で孫怡に聞かれても対応できるようにだ。

しかし葉辰はアルマーニのカジュアルウェアが少し不快に感じられ、仕方なくアディダスの専門店でスポーツウェアを一着買った。

スポーツウェアに着替えると、かなり楽になった。

葉辰が萬達を離れようとしたとき、視界に見覚えのある人物が入った。

夏若雪だ。

今、夏若雪はカフェに座っており、上の空で、スプーンでコーヒーをかき混ぜていた。

彼女の向かいには豊満な体つきの女性が座っており、気品高く、30代後半か40代前半に見え、とてもよく手入れされた肌で、しわひとつない。

重要なのは、夏若雪と少し似ているところだ。間違いなく、夏若雪の母親だろう。

この気品と外見なら、夏若雪の姉だと言っても不思議ではない。

「金持ちの生活だな、午後のお茶まで飲んでるなんて……」

葉辰が感慨深げにつぶやき、出口に向かって歩き始めると、中にいた夏若雪はちょうどコーヒーカップを手に取ろうとしていた。美しい瞳が自然と窗の外を通り過ぎる葉辰に気づいた。

彼女の顔に喜色が浮かび、急いでコーヒーカップを置くと、外に向かって小走りに出て行った。

「ママ、ちょっと待っててね!」

……