葉辰は真気を再び鎮魂棍に運んだ。瞬時に吸収された!
そして、かすかな気流が溢れ出た!
葉辰は棒を素早く軽く振った。空気中に波動が生じた!
波動は壁に当たり、ホテルの壁面に亀裂が入った!
「まあまあだな。これで間に合わせるか。」
葉辰は今のところ適切な武器がないので、仕方なく鎮魂棍を使うことにした。
馬偉奇はこの光景を見て、顔色が真っ青になった。
彼は崔振とも長年の付き合いで、崔振が鎮魂棍を使うのを何度も見てきたが、葉辰が放つ威力ほど大きくはなかった!
鎮魂棍は崔振の先祖から伝わったものだが、崔振はずっとそれを適切に活用できていなかったようだ。
その後、葉辰はミレニアムホテルを後にした。
残りの事は馬偉奇に任せた。彼は馬偉奇が裏切ることを心配していなかった。
あの術法の恐ろしさは一般人の想像をはるかに超えていた。
彼は馬偉奇の死への恐怖も見て取れた。
恐怖を感じる人はたいてい賢い人間だ。
あとはこの1ヶ月を安全に過ごすことだ。1ヶ月後、彼は自然と江南省武道協会に向かうだろう!
「唐傲?華夏宗師ランキング189位?このレベルの高手がどれほど強いか、見てみたいものだ!」
……
朝の6時。
葉辰は湯臣一品に戻った。ドアを開けると、孫怡がすでに起きていた。
「辰ちゃん、今日はどうしてこんなに早く起きたの?」
孫怡は少し驚いた様子だった。
彼女は手に数個の卵を持っており、明らかに朝食の準備をしていた。
葉辰は笑みを浮かべた。「今日は早く目が覚めたから、ちょっと散歩に出かけたんだ。」
孫怡は夏若雪の部屋を見て、ドアに動きがないのを確認すると、そっと葉辰に近づき、両手で彼の腰に手を回した。
孫怡はすぐに葉辰から離れ、顔を赤らめた。
夏若雪はパジャマ姿で部屋から出てきた。葉辰と孫怡が居るのを見て、目をこすりながら言った。「二人とも本当に早いのね。朝食の準備?今日は私が試してみようかしら。外祖母のところで閩南式の朝食を習ったの。」
孫怡は顔を伏せたまま、慌てて答えた。「い、いいわよ!」