「辰ちゃん、さっきの美人は誰?」
孫怡はかなり興味深げに言った。
確かに金冷雁はスタイルも容姿もなかなかで、彼女たちには及ばないものの、あの凛々しい雰囲気は少し違っていた。
夏若雪も興味深そうに葉辰を見た。
葉辰は目を細めて、淡々と言った。「友達だよ」
なぜか葉辰は金冷雁のことが気がかりだった。あの勢力は簡単に一族を滅ぼすことができ、しかも江城のニュースにも出てこない。それは間違いなくある程度の力を持っているということだ。
江城のトップクラスの武道家族である金家でさえ、この勢力を恐れているのだから、その背後の恐ろしさは想像に難くない。
しかも、相手は間違いなく中華武道界の者だ。
自分が江城にいるこの数日間、金冷雁は何度も助けてくれた。
丹薬のオークションから武道臺まで、金家は利益を重視しているが、金冷雁は毎回善意を持って説得し、父親の意思に逆らってまでしてくれた。