「辰ちゃん、さっきの美人は誰?」
孫怡はかなり興味深げに言った。
確かに金冷雁はスタイルも容姿もなかなかで、彼女たちには及ばないものの、あの凛々しい雰囲気は少し違っていた。
夏若雪も興味深そうに葉辰を見た。
葉辰は目を細めて、淡々と言った。「友達だよ」
なぜか葉辰は金冷雁のことが気がかりだった。あの勢力は簡単に一族を滅ぼすことができ、しかも江城のニュースにも出てこない。それは間違いなくある程度の力を持っているということだ。
江城のトップクラスの武道家族である金家でさえ、この勢力を恐れているのだから、その背後の恐ろしさは想像に難くない。
しかも、相手は間違いなく中華武道界の者だ。
自分が江城にいるこの数日間、金冷雁は何度も助けてくれた。
丹薬のオークションから武道臺まで、金家は利益を重視しているが、金冷雁は毎回善意を持って説得し、父親の意思に逆らってまでしてくれた。
しかし、金家が江城を離れるのもいいだろう。一時的に避難する方が、このような勢力と直接対峙するよりも安全だ。
夏若雪は葉辰が心配そうなのを見て、何かを思い出したように言った。「葉辰、後で天正グループに行く?今日、天正グループは製品発表会を開催して、国内外および海外のジャーナリストを招待したわ。天正グループは製品発売前に一気に注目を集めようとしているの」
孫怡も言った。「辰くん、絶対に来てね。今日は私が天正グループを代表してスピーチするの。昨日は一晩中原稿を準備したのよ。正直言って、初めてこんなにたくさんのメディアの前に立つから、ちょっと緊張してるの」
葉辰は昨日沈海華から電話でこのことを聞いていたことを思い出し、うなずいた。「もちろん応援に行くよ。その時はスマホで君の美しい写真を撮ってあげるよ」
孫怡の目は三日月のように輝いた。葉辰が下にいてくれれば、彼女はずっと安心できるだろう。
葉辰は二人が服を合わせている間に寝室に戻り、あの玉の護符を取り出した。
すぐに霊気が溢れ出し、寝室全体に充満した!
「こんな宝物、あの勢力が一族を滅ぼしてまで奪おうとするのも無理はない」葉辰はつぶやいた。