第322章 どうしてこんなことが?(2番目の更新!)

「しかし、葉さま……」朱雅が話そうとした時、葉辰の傷が完全に消えていることに驚いた。それだけでなく、その気勢も一段と強くなり、全身から強者が天下を圧倒するような雰囲気が漂っていた。

「葉さま、まさか突破されたのですか?」

葉辰は頷き、さらに言い添えた。「今は午前四時だ。もう少し休んでいろ。明朝には千珏山を離れる。安素山のあの平手打ちも、そろそろ返してやる時だ」

……

朝七時。

部屋のドアがノックされた。

考えるまでもなく、葉辰には淨道大師だとわかっていた。

葉辰がドアを開けると、入り口に立っていた淨道大師は玉の瓶を手に持ち、葉辰を一瞥してから軽く振りながら言った。「これは昨日私が調合した薬液だ。お前の体の回復を早めるはずだが、それに……」

言葉が途中で突然途切れた!

表情が極めて奇妙で驚愕に変わった。

なぜなら、葉辰の傷が完全に消えているのを発見したからだ!

淨道大師の瞳は驚愕の色に満ちていた。誰よりも彼はよく知っていた。あの傷は一週間なければ治るはずがないということを!

しかし目の前の状況は一体どういうことなのか?

一流の高手として、彼はすぐに心の動揺を抑え、笑みを浮かべて言った。「どうやら私はお前を見くびっていたようだ。こんなに短時間で回復できるとは、お前にも多くの秘密があるようだな」

葉辰は拱手し、再び感謝の言葉を述べた。「淨道大師のご助力に感謝いたします。昨日、先輩がいなければ、私はすでに命を落としていたかもしれません」

淨道大師は手の玉の瓶をしまいながら笑って言った。「そう言うな。私はずっと中にいたが、外で何が起きているかはよく分かっていた。お前一人であれほどの強者たちを抑え込むとは並大抵ではない。お前を殺そうとした者も、そう簡単にはいかなかっただろう。

私が出手しなくても、お前は必ず危機を脱していただろう」

「そうそう、今朝私は既に人に命じて情報を流した。昨夜お前が手に入れた域外の物は、私が没収したということをな。これでお前が今後直面する問題は少なくなるだろう。

あの卑劣な輩どもは、強いものには逆らえない。私の前では物を言う権利すらないのだ!これが今の私にできる唯一のことだ」

この瞬間、葉辰は少し戸惑った。

二人は他人同士なのに、なぜこの淨道大師は自分を助けようとするのか?