葉辰は母親の方へ歩いていった。彼の両足は鉛を注いだかのように重かった。「母さん、教師寮に部屋があるから、まずそこに行きましょう」
江姵蓉は頷き、片手で葉辰を支えながら、明るい方へと向かっていった。
二人が雲和湖を離れようとした時、江姵蓉の足が止まった。
遠くから足音が聞こえ、ぼんやりと背の高い男が近づいてくるように見えたからだ。
江姵蓉は本能的に警戒心を抱いた。
林絕龍がまた現れたのだろうか?
林絕龍は本当に彼らの家族を潰そうとしているのか?
彼女の手のひらは汗でびっしょりだった!
その時、葉辰も目に冷たい光を宿し、闇の中の人影を見つめながら、いつでも行動できる準備をしていた。
どうしようもなければ、残された唯一の墓碑を起動させるしかない。
しかしすぐに、二人とも緊張が解けた。