「母さん、もういいよ。ここで百里雄の娘と知り合ったから、少しは期待できるはずだ」
江姵蓉は葉辰がそう言うのを聞いて、もう何も言わなかった。
ある事は、辰兒が経験してみないと、その難しさが分からないものだ。
百里雄の気性は江おじいさんに劣らず、辰兒が虎口から餌を奪うのは天に登るより難しい。
翌日の午前、京城師範大學。
葉辰は雷樹偉から電話を受け、校門へ向かった。
出発前、母親に大量の丹藥と武技を渡した。母が修行の道を歩む決心をしたことを知っていたので、最高のものを与えることで、母の夢を支援しようと思ったのだ。
校門に着くと、特別仕様の紅旗L7リムジンが外に停まっていた。非常に控えめな様子だったが、多くの人の注目を集めていた。
紅旗車のドアが開き、雷樹偉が中にいた。
彼は葉辰に手を振って「葉さま、こちらです」と声をかけた。