第419章 本当に恐ろしい！（9/10）

この瞬間、龍脈の地全体が静まり返った。

いつでも精血を燃やす準備ができていた百里雄の呼吸が止まったかのようだった。

彼は目の前の光景を食い入るように見つめていた。

一人の人間と一匹の龍が天地の間に屹立していた。

青年は冷たく傲然として、その身には帝王の気が漂い、神龍は咆哮し、高みから人々を見下ろしていた。

この光景を、彼は生涯忘れることはないだろうと誓った！

すべてが幻覚だと思っていたが、その龍吟の声で完全に目が覚めた！

葉辰の体内には血龍が宿っていたのだ！

百里冰も驚愕し、全身を火炎に包まれた血龍を見て、尻もちをついた。

この光景があまりにも衝撃的だったのだ！

彼女は百里家族に生まれ、それなりに見識はあったが、この瞬間、言葉を失った。

朱雅はやや冷静さを保っていた。この血龍を見るのは一度や二度ではなかったから。

しかし前回と比べると、血龍はかなり大きくなっていた。

この血龍は葉辰の力が強くなるにつれて大きくなるのだろうか？

いつか葉辰が本当に一匹の龍を操り、九天を翔けることになるのだろうか？

その光景を想像し、朱雅は思わず冷気を吸い込んだ。

これは...ありえないはずだ。

遠くにいた何長老は言葉を失っていた。突然の衝撃は、まるで重槌のように、彼の心臓を四分五裂にしそうだった。

彼が斷魂門の長老になれたのは、この巨蛇の幻影のおかげだった！

彼はすでに天賦の才を持つ存在だった。

この巨蛇の幻影で数多くの強者を倒してきたが、この瞬間、完全に粉砕された！

重要なのは、もう二度と凝集することができないということだ！

蛇がどうして龍と比べられようか！

「お前は一体何者だ！」

何長老は信じられない様子で数歩後退し、恐怖に声を震わせた。

「お前を殺す者だ！」

言葉と共に、葉辰は飛び出した。斬龍剣を握りしめ、血龍を従えて、人と龍が強大な気勢を放ちながら突進した！

何長老は我に返り、冷笑した。「血龍の幻影があったところで何だというのだ。お前は離合境に入ったばかり、私に勝てるはずがない！」

何長老はもはや何も顧みず、直接葉辰に向かって殺到した。葉辰を殺さずには済まない！

巨蛇の幻影が破壊されたことは、彼の根幹が破壊されたも同然だった！

「轟！」