「葉さま?」
百里雄は数メートル先の冷たい背中に目を向けた。
彼は突然何かを思い出し、朦朧とした中で暖かい流れが全身を駆け巡るのを感じた。これが真気だと分かった。
誰かが真気と術法を使って、彼を鬼門關から強引に引き戻したのだ!
しかもこんなに若い人物が!
彼の水のように静かな瞳に波紋が生じた。
彼、百里雄はこの青年のおかげで命が助かったのだ!
「私、百里雄は葉名醫の救命の恩に感謝いたします!この大恩は生涯忘れません!」
その時、葉辰は振り返り、百里雄を一瞥して言った。「お前の怪我はまだ重い。話は控えめにして、座って修行しろ」
「葉辰?」
百里雄は青年の素顔を見て、思わず声を出した。
葉辰が最近行ってきたことについて、彼も耳にしていた。百里冰の賞賛もあり、彼も少し注目していた。