「葉さま?」
百里雄は数メートル先の冷たい背中に目を向けた。
彼は突然何かを思い出し、朦朧とした中で暖かい流れが全身を駆け巡るのを感じた。これが真気だと分かった。
誰かが真気と術法を使って、彼を鬼門關から強引に引き戻したのだ!
しかもこんなに若い人物が!
彼の水のように静かな瞳に波紋が生じた。
彼、百里雄はこの青年のおかげで命が助かったのだ!
「私、百里雄は葉名醫の救命の恩に感謝いたします!この大恩は生涯忘れません!」
その時、葉辰は振り返り、百里雄を一瞥して言った。「お前の怪我はまだ重い。話は控えめにして、座って修行しろ」
「葉辰?」
百里雄は青年の素顔を見て、思わず声を出した。
葉辰が最近行ってきたことについて、彼も耳にしていた。百里冰の賞賛もあり、彼も少し注目していた。
しかしこれまで、葉辰の武道の実力が若い世代では悪くないと知っているだけで、彼がこのような神通力の醫術を持っているとは思いもよらなかった。
重要なのは、凡人の根を持つ者が武道に踏み入れることすでに奇跡なのに、さらにこのような強力な醫術を習得する余裕があったことだ。
彼の心の中で大波が立ち、驚きが次々と押し寄せた。
その時、鄭仁決が我に返り、冷笑して言った。「葉辰、どうやらお前のことをまだ十分に理解していなかったようだな。百里雄という死人をどうやって生き返らせたのかは知らないが、もはやそれは重要ではない。生き返らせても無駄だ。今日、お前たち二人とも死ぬのだから!」
言い終わると、彼は斷魂門の何長老を見て、拱手して言った。「何長老、我が華夏武道総局は斷魂門と共に出手する用意があります。あの小僧の身に秘められた秘密には一切手を出しません。すべて何長老の采配にお任せします!龍脈についても、私はたった一割だけで結構です!」
何長老は満足げに頷いた。「よろしい。この二人の取るに足らない者たちなど眼中にない。彼らを殺すのは、あまりにも簡単なことだ」
「ただし、万全を期すために、鄭師匠、一緒に攻撃しましょう!」
「よし!」
二つの影が葉辰に向かって迫ってきた!
一人は華夏宗師ランキング第七位の鄭仁決!
もう一人は斷魂門の何長老!
何長老は離合境第七層で、今回の秦嶺龍脈の主要責任者だ!また、今回斷魂門が派遣した最強の人物でもある!