葉辰が驚いているその時、黒い石が宙に浮かんでいることに気づいた。
霊気と龍脈の気が彼の体内に流れ込んでいった。
「もしかして輪廻墓地のせいか?」
葉辰は五本の指を握り締め、石を手の中に収めた。
「百里雄は父を連れ戻したはずだ。この石のことも聞いてみないと。江城葉家、輪廻墓地、これらの間にいったいどんな関係があるのだろう?」
葉辰は自分の出自が決して単純なものではないと感じていた。
大能者たちの口から、自分の「凡人の根」は検知されず、運命は天道さえも掌握できないこと、そして輪廻墓地が自分を選んだこと、祖父の葬儀で現れた謎の人物のことを知った。
葉家は表面上見えているほど単純ではないはずだ。
自分の体内にある凡人の根は並のものではない!
彼が携帯電話を開いて電話をかけようとした時、一本の電話が入ってきた。