「前に考えてほしいと言ったことはどうなった?」
葉辰はソファに座り、魏穎の首にある地魄玄石にひびが入りかけているのに気づいていた。
おそらくもう少しすれば、この地魄玄石も魏穎の殺血寒體を抑えきれなくなるだろう。
「葉辰、修行はできるけど、一つお願いがあります。師匠とは呼びたくないんですが、それは...気にしますか...」
葉辰は首を振った。「呼び方なんて外面的なものだ。好きなように呼べばいい。そうだ、『寒心決』の修行はどうだ?」
魏穎は髪に触れながら、困ったように言った。「どうなのかよく分からないんです。こういうものは初めてで、教科書とは全然違って...」
「寒心決を運行してみろ。見せてくれ」葉辰は興味深そうに言った。
魏穎は頷き、目を閉じた。
突然、部屋全体に氷のような寒気が広がり、赤い殺気が魏穎の体から噴出した!
異象が次々と現れ!
人々の心を震わせた!
葉辰は驚きながら気づいた。魏穎の体を中心に、四方八方に寒氷が出現していた!
彼女の周りには幾筋もの冰寒な剣意が現れ、まるで今にも体から飛び出して他人を斬りつけそうだった!
彼の百草鼎さえも寒氷に覆われた!
寒氷の上には、赤い光が漂っていた。
「これは...」
葉辰は驚愕した!
彼の体内の血龍が脅威を感じたのか、湧き出てきた!
天下で、この血龍を恐れさせるものと言えば、殺血寒體だけだった!
魏穎の殺血寒體が寒心決を修行すれば強くなることは知っていたが、まさかここまでとは!
やはり!この殺血寒體は世界の十大極限厄體の一つ!一度修行して使いこなせば、必ず極めて強大な力を発揮する。
「もう止めていい」葉辰は急いで言った。
その言葉が落ちると同時に、魏穎は突然目を開いた!
「バリッ!」という音とともに、周りの寒氷に包まれた家具が全て粉々になった!
それだけでなく、あの百草鼎にまでひびが入った!
あまりにも恐ろしい!
魏穎は葉辰のリビングの物が全て自分によって壊されたのを見て、顔色を変えた。「葉辰、私...私、わざとじゃないんです。どうしてこうなったのか分からなくて、体をコントロールできなかったんです」
彼女は慌てて鞄から銀行カードを取り出した。「葉辰、これは私の給料カードです。数万元入っていますから、これで弁償できませんか...」
魏穎は泣きそうになっていた。