方振業にとって、葉辰の存在は時限爆弾のようなものだった。
この時限爆弾は彼の生死を脅かすのに十分だった。
彼は元々、葉辰の背後にいる強者や宗門を警戒していたが、葉辰の行動を知るにつれ、殺すことを考えざるを得なくなった。
彼は自分に言い聞かせた。葉辰の行動を見る限り、常に一人で行動しており、他人の力を使ったり、背後に大能者がいる形跡は見られなかった。
たとえこの者が崑崙虛の出身だとしても、背後の者が気付くときには遅すぎるだろう!
彼の手にある魂を鎮める剣が微かに震え、眩い光を放ち、まるで今にも解き放たれそうだった。
方振業は長劍をしっかりと握り、何とかそれを制御した。
この魂を鎮める剣は強力だが、最大の問題は制御が難しいことだった。
彼の実力をもってしても、使用するには全ての真気をこの剣に集中させなければならなかった。
「方さん、こんなに長い間、まだその剣を抑えられないのですか?煉化や血で主を決めることもできないのですか?」
袁畢然は方振業の震える腕を見て、驚いて尋ねた。
方振業は頷き、魂を鎮める剣を青銅色の劍鞘に収めると、やっと震動が完全に消えた。
彼の額には汗が浮かび、少し息を切らしながら言った。「こいつは気が強くて従わない。いろんな術法を試したが効果がなく、純粋な力での制圧も同じだ。今でも無主の物で、今のところ、かろうじて使えるだけで、その真価を発揮できていない。」
袁畢然は興味を示した。「私に試させてください!」
「持っていけ!」
言葉と共に、魂を鎮める剣が彼の手の中に現れ、その重さに袁畢然は危うくよろめきそうになった。
彼は体勢を立て直し、魂を鎮める剣を少し抜いたが、次の瞬間、剣が反転し、袁畢然の束縛を破って飛び出し、劍鞘ごと壁に突き刺さった!
石室全体が激しく揺れ始めた。
魂を鎮める剣が刺さった場所には、蜘蛛の巣のような亀裂が走った!
この石は岩炎玄石なのだ!
その硬度は驚くべきものだった!
「ドン!」
袁畢然は血気が上がるのを感じ、魂を鎮める剣から強大な気波が押し寄せ、七歩も後退してようやく体勢を立て直した。
老いた顔が真っ青になり、すぐに赤くなった!
守護者の一人として、一本の剣に弄ばれるとは!
この上ない恥辱だ!
他の守護者たちは笑い出し、冗談を言い始めた。
「袁さん、だめじゃないか。」