第508章 天賦者!

真元境への突破?

葉辰は陳天黎の言葉を聞いて、眉をひそめた。

そんなことがあり得るだろうか!

彼は陳天黎が狂ったのではないかとさえ思った。

彼が離合境に入ったのはつい最近で、九つの小境界のうちほんの数段階しか進んでいない。

真元境までの距離はまだまだ遠い!

修行は進むにつれて、一つの小境界を越えるのも天に登るより難しくなる!

大境界に至っては言うまでもない!

崑崙虛の強者たちの多くは、一生をかけても真元境に入れるとは限らない!

それなのに今、陳天黎は彼に真元境を突破しなければ出られないと言うのか?

「集中して突破しろ、鎮魂破陽石はお前が思うほど単純なものではない!」

「これは崑崙虛でも大きな機縁と言える。本来なら中のエネルギーを輪廻墓地に注ごうと思っていたが、今は考えを変えた」

「お前がすべきことは、心を乱さないことだ」

言い終えると、陳天黎は口を閉ざした。

まるで天地の間に消えてしまったかのようだった。

「わかった!」

葉辰はすでに体内の突破の意志が極限まで高まっているのを感じていた!

そう思うと、もはや躊躇わず、軽く唸り声を上げながら葉辰は手首をひねり、蛇の胆が彼の手のひらに現れた。

この蛇の胆こそが、葉辰が真元境に踏み入るための礎となるだろう!

直ちに服用した!

ゴロゴロ……

体内の真気が、瞬時に狂暴化した!

極めて恐ろしい!

九天玄陽決を極限まで運転させ、腹部の中で、蛇の胆から放出されるエネルギーは、葉辰の全身を灼熱させた!筋脈の中で、真気が蛇の胆のエネルギーと融合し、瞬

一つの小境界を、いとも簡単に突破した!

第二の小境界も、同様に突破!

……

すぐに、葉辰は離合境第八層に達した!

さらに第九層を突破しようとしていた!

轟音が鳴り響き、まるで驚雷のようだった。

氣血が翻り、葉辰はもう少しで血を吐きそうになった。

彼の脳裏に無数の映像が走った!

雲湖山荘でのあの出来事、崑崙虛での五年間、冷たい嘲笑と皮肉!

さらには数百もの宗門に一斉に拒絶されたことも!

それはただ彼が凡人の根だったからだ!

彼は何度も自分を否定したが、もし老人が彼を励まさなかったら、彼の人生は必ず暗いものになっていただろう!

そして、彼の父はまだ崑崙虛にいる!

出発する時、彼は母に必ず父を連れ帰ると約束した!