第567章 そこまでする必要ある?(1更!)

彼が話そうとした瞬間、落劍宗の孫宗主が口を開いた。「閣下、これはどういうことですか...なぜこの葉辰を廃人にせず、むしろ...」

孫宗主は言葉を濁し、驚いた様子で沈石溪を見つめた。

しかし、この言葉を聞いた沈石溪の表情は一変し、殺気が漂った。

「師匠、この蟻ごときが大声で喚くとは、まさに死を求めているようだ!」

沈石溪の目には、玉の護符を持つ者こそが師匠だった!

萬道劍尊の態度と葉辰の劍技から見て、葉辰はおそらく萬道劍尊の弟子なのだろう!

世代で言えば、それは萬劍宗を創立した人物と同じ地位だ!

いや、それ以上かもしれない!

そうなると、萬劍宗の全員、さらには宗主までもが葉辰を師匠と呼ぶべきなのだ!

葉辰が返答する前に、沈石溪は猛然と立ち上がり、一陣の狂風となって孫宗主へと襲いかかった!

冷たい殺気に孫宗主の顔色は青ざめた!

彼は沈石溪がなぜ突然自分に手を出すのか理解できなかった!

師匠?

萬劍宗の長老が葉辰を師匠と呼ぶだと?

そんなことがあり得るのか!

根骨二十歳そこそこの若者が、どうして萬劍宗の師匠であり得るのか!

無数の疑問が孫宗主の頭を巡った!

しかし考える暇はもはやなかった!

殺気が暴風雨のように迫ってきた!

沈石溪はすでに孫宗主の目の前に現れていた!

「閣下...」

孫宗主の言葉が終わる前に、沈石溪の五本の指が彼をつかんだ!

そして相手を持ち上げた!

この瞬間、天地さえも沈石溪の変化を感じ取り、それに応じて変化した。

空気は凝固し、雰囲気は重苦しく、世界全体が突然静まり返った。

死のような静けさが、人々を窒息させるようだった!

沈石溪の両目は、まるで世界を見通すかのように孫宗主を見つめていた。

その鋭い眼差しに、孫宗主は喉を締め付けられ、息ができないと感じた。この瞬間、彼は凶暴な猛獣と対峙しているかのようだった!

「孫宗主、何をしてはいけないかといえば、師匠に無礼を働くことだ!お前だけでなく、落劍宗全体が今日から滅びる!師匠の怒りは、誰も耐えられない!」

これが沈石溪の言葉だった。

五本の指の力が爆発し、すでに孫宗主の首を貫いていた!

鮮血が流れ出した!

極めて残酷な手段だった!