崑崙虛の強者が修行レベルを失えば、それは生きていても死んだも同然だ!
見物していた華夏武道界の強者たちは完全に言葉を失い、目玉が飛び出しそうになった!
この強者がたった些細なことで、自ら修行レベルを捨てるとは?
この世界はいつからこんなに狂ったのか?
くそっ!
そこまでする必要があるのか!
葉辰に気に入られたいからといって、ここまでする必要はないだろう!
葉辰はこの光景を見て、苦笑いを浮かべた。
この沈石溪は自分をそこまで恐れる必要があるのだろうか?
沈石溪が修行レベルを捨てようとするのを見て、葉辰は急いで言った:「やめろ!」
沈石溪はようやく手を止めた。掌風が渦巻いており、先ほど確かに本気で自分を傷つけようとしていたことがわかる。
「この件は、お前のせいではない。ここは人が多すぎる。立って、中に入って話そう」と葉辰は言った。
沈石溪はこの言葉を聞いて、ほっと息をつき、興奮して言った:「師匠様が小人の過ちをお許しくださり感謝します!」
沈石溪は立ち上がり、突然何かを思い出した。
葉辰が萬劍宗の師匠であることは、今のところ広まってはならない。葉辰が萬劍宗に戻ってから、初めて全ての人の目に晒されるべきだ!
今、一部の人々に気づかれたのなら、彼はそれを完全に消し去らなければならない。
全てを理解した沈石溪は、見物していた人々に向かって動き出した!
まるで一陣の清風のように!
その姿は全く見えない!
見物していた人々は異変に気づき、逃げようとしたが、虛影のような何かが彼らの脳内に侵入するのを感じた!
無理やり何かを取り出したのだ!
彼らには抵抗する権利すらなかった!
もちろん、抵抗する者もいた!
しかしその最後の結末は、その場で血霧と化すことだった!
その威力は明らかだ!
沈石溪が通り過ぎた場所では、全ての人の記憶が容赦なく消し去られた!
これは萬劍宗の術法の一つで、まだ完成されておらず、人を気絶させることもあるが、彼にはそんなことを気にしている余裕はなかった!
今の彼にとって、師匠の全てが天よりも高いのだ!
遠くから沈石溪の行動を見ていた葉辰は、何の表情も見せず、そのまま葉家へと向かった。
崑崙虛は輪廻墓地に頼る必要があると思っていたが、今となっては萬劍宗があれば、はるかに容易になるだろう。