「俺は千を出す!」
しかし、大広間の声が次第に消えていく中、突然、豪華な個室から爽やかな声が響いた。
それは血盟の方向からだ!
「血盟の者が動いた!」
この声を聞いて、沈石溪の表情が急変した。
「どうやら、血盟もこの太古の虛實丹を狙っているようだな!」
葉辰は眉をひそめた!
「血風華、お前はいつから丹藥に興味を持つようになった?悪いが、この太古の虛實丹は我が紀家が頂く!」
血盟の強者の声が落ちる前に、紀家の個室から別の声が聞こえてきた。
明らかに、血盟の筆頭の強者は血風華と呼ばれているようだ!
しかも紀家の者と知り合いのようだ!
血盟と紀家はその場で言い争いを始めた。
さらに価格は千五百まで吊り上げられた!
狂気だ!
完全なる狂気!
この価格は高すぎるだろう!
少し誇張されているとさえ言える!
この太古の虛實丹は完全な丹藥ではないのだぞ!
血風華のいる個室を見て、皆の表情には諦めの色が浮かんでいた。
狂気的ではあるが、血盟と紀家にはそれだけの資格がある。
「葉さま、これからどうしましょう?」
「血盟は絶対に手に入れる気のようだな!」焦りの表情を浮かべる沈石溪を見て、葉辰は深く息を吸い込んだ。「千五百の靈石、紀家はそこまで狂ってはついてこないだろう!他の勢力も?恐らくもう諦めているはずだ!太古の虛實丹?確かに貴重だ。しかし千五百の靈石があれば、太古の虛實丹の代わりになるものはいくらでもある!
お前が値をつけろ、直接千七百と言え!」
高台の上の白い玉の瓶を見つめ、葉辰の表情は冷たくなった。
ここまで来たら、最後の一勝負だ。
葉辰は血盟がどこまで狂えるか見てみたかった!
「千五百の靈石ですが、他に出す方はいらっしゃいますか?もしなければ、この太古の虛實丹は血盟のものとなります!」
司会者が尋ね、手に持ったハンマーをいつでも落とせる準備をしていた。
「この太古の虛實丹は、俺のものだ!」
血盟のある個室から、この光景を見て、血風華の目に熱い視線が走った!
この太古の虛實丹、彼は絶対に手に入れなければならない。
彼はこの丹を血盟の鄭長老に献上するつもりだった!
なぜなら鄭長老はかつて神魂に損傷を受けていたからだ!
短い静寂の後。
「二千の靈石!」
しかし、血風華が勝利を確信していた矢先、突然声が響いた。