最も驚いたのは沈石溪だった。
「思いもよらなかった。葉さまがここまで強くなるとは!華夏の京都で会った時と比べて、強さが段違いだ!
萬道劍尊がなぜ萬劍宗にあの言葉を残し、宗門全体が葉辰を尊ぶべきだと言ったのか、やっと理解できた。」
「こんな天賦の才を持つ人物は、三年間夭折さえしなければ、萬劍宗が葉辰を守るのではなく、葉辰が萬劍宗を守ることになるだろう!」
「どんなことがあっても、私は命をかけて師匠を守る!」
沈石溪は決意を固めた。
そして沈の隣にいる紀家のお嬢様の瞳には、深い興奮の色が宿っていた。
弓矢を握る手は汗ばんでいた!
この葉弒天が彼女に与えた驚きはあまりにも大きかった!
易寶閣の宝物すべてを合わせても、この葉弒天には及ばない!
彼女も密かに決意した。どんな代償を払っても、紀家は葉弒天を獲得しなければならない!
同時に、百メートル離れた易寶閣の六階。
数人の老人たちが遠くから凝魂臺の下の光景を見ていた。
これらの老人たちは皆、易寶閣で極めて尊い人物だった!
鑑寶室の福おじさん以外の老人たちは、錦の衣を着た一人の老人を取り囲んでいた。
錦の衣の老人は両手を背中で組み、表情は凝重だった。
彼こそが今回の華夏崑崙易寶分閣の責任者、莊步凡だった。
「閣下、この二人はすでに凝魂臺を離れ、易寶閣内で手を出したと見なせます。二人を鎮圧すべきでしょうか?」
恐ろしい気配を放つ一人の老人が恐る恐る尋ねた。
莊步凡は黙ったまま数秒考え、福おじさんを見て尋ねた。「あなたはあの葉弒天と接触したはずだが、彼の本当の身分を知っているか?」
福おじさんは首を振った。「私はいくつかの手段で調べましたが、全く分かりません。唯一の手がかりは、この二人が華夏から来たようで、崑崙山國際空港で彼らの姿が捉えられていることです。」
福おじさんの目には、莊步凡が明らかに葉弒天を引き入れようとしているように見えた。
「華夏か?このような実力と才能を持つ者は華夏の人間ではないだろう。おそらく華夏での用事を済ませて戻ってきたところだ。あの葉弒天の側にいる老人は超凡境以上だ。超凡境の強者が真元境の若者を『さま』と呼ぶとは、興味深い。」
「残念なことに、彼は私の縄張りで手を出すべきではなかった。さらに血風華に手を出すべきではなかった。」