「彼が恐れているのは葉弒天ではなく、葉弒天の傍らにいるあの老人と出手した紀家のお嬢様だろう。この三人が同時に攻めてきたら、彼一人では止められないだろう」ある者が目を細め、分析した。
「なるほど!しかし、あの葉弒天は真元境を突破したばかりで、気息もまだ安定していない。大丈夫だろうか?」
「あの葉弒天も手ごわい相手だ。見物だな。ただ、二人とも凝魂臺から離れてここで戦うとなると、易寶閣は介入するだろうか?」
広がる気勢を感じ、場内の全員が息を呑み、目を見開いた。
葉弒天が危険な状況に陥った。
もし今、血風華が見せた実力を目の当たりにして、凝魂臺の下にいる大半の人々が興奮しているとすれば、沈石溪と紀家のお嬢様の心情は間違いなく重苦しいものだった。
葉辰は天賦の才こそ逆天的だが、結局は突破したばかりだ。
この血風華は血盟の強者たちとは比べものにならない!
彼らは葉辰を見つめ、心配の眼差しを向けていた。
「葉弒天、今日はお前を救える者などいない!真元境から二つの大境界を飛び越えて超凡境に達することができるとは思えんな!」
「今こそ、お前に血盟の恥辱を利子付きで返してやる!」
この実力があれば、血風華が自信を持つのも当然だった。
「ほう?そんなに自信満々に私を圧倒できると?」
凝魂臺の上下で沸き立つ群衆を気にせず、襲いかかる血風華を冷ややかに見つめながら、葉辰は目を細めた。
この状況は葉辰が予測していたことだった。
だから、今の葉辰はあまりにも驚くことはなかった。
むしろ、葉辰の心には少しの興奮があった。
「お前にどれほどの実力があるか、見せてもらおう!」
突然、血風華が目の前に迫った瞬間、人々の驚きの声の中で、葉辰は一歩踏み出した。
「蒼龍幻身訣!」
一声の咆哮と共に、葉辰の姿はまるでその場から消えたかのようだった!
次の瞬間、彼は血風華の背後に現れていた!
一撃を繰り出す!
彼はまだ剣を使うつもりはなかった!うっかり血風華を斬り殺してしまうのを恐れたのだ!
それでは元も子もない!
もちろん、葉辰が今の真元境八層の力で血風華と戦うつもりはなかった!
彼は輪廻墓地の段雷仁から力を借りていた!
短時間で自分の気息と修行レベルを高めるために!
自分が太古の虛實丹を手に入れたのだから、段雷仁が協力してくれるのは当然だった!