真っ赤な夕日が空を染め、白い雲が一つ一つ焼け雲に変わっていった。
葉氏の王墓はSの北部にある山脈に位置し、この辺りは至る所が濃い緑の草木に覆われていた。
近づくと、青々とした草の香りが鼻をくすぐり、心地よい雰囲気を醸し出していた。
王墓の盗掘を防ぐため、数百年にわたってこの一帯は濃霧に包まれ、王墓全体が霧の中に隠されており、誰一人としてここに近づく勇気のある者はいなかった。
噂によると、百年以上前に数人の経験豊富な墓荒らしが葉氏の王墓を発見し、全ての道具を準備して略奪しようとしたという。
しかし、彼らが森の霧の中に入ると、間もなく悲鳴が聞こえ、ほんの数分で静寂が戻ったという。
それ以来、近隣の村人たちは夜中に苦しげな悲鳴を聞くようになったと言われている。
昼間に探しに行っても、人影は全く見当たらない。しかし、夜になるとまたあの声が聞こえてくるのだ。