擎ちゃんは司徒靜を一瞥し、昭ちゃんに向かって言った。「妹、麻酔針の効果は長くは続かないよ。早くママを見つけて連れ出さないと!」
昭ちゃんはうなずき、素早くクリスタルボールを回した。
クリスタルボールを回した瞬間、密室のドアがギシッと音を立てて開いた。
昭ちゃんは喜びの声を上げた。「本当に開いた、密室のドアが本当に開いたよ」
擎ちゃんはうなずき、時間を無駄にせず、昭ちゃんの手を引いて密室に向かった。
密室全体の道は曲がりくねっていて、一筋の光もなく、非常に暗く見えた。
普通の子供なら、とっくに怖がっているだろう。
しかし、擎ちゃんと昭ちゃんは胆が大きく、少しも怖がらず、むしろ興奮していた。
昭ちゃんはにこにこしながら言った。「お兄ちゃん、やっとママを見つけられるよ。嬉しいな」