第458話 出産

そんな真剣な様子で葉淇を見つめながら尋ねた。「淇淇、私の妻になってください。一生涯、永遠に共に歩んでいきたい！」

葉淇は涙を浮かべながら頷いた。

この盛大でロマンチックなプロポーズは、広場にいた全ての人々、メディアの記者たち、そして世界中の注目を集めている人々に見守られ、祝福された。

その後は結婚式の準備に取り掛かった。

二ヶ月後、葉淇が妊娠九ヶ月を過ぎた頃。

本来なら葉淇がお腹の子を産んでから結婚式を挙げる予定だったが、陸厲沉と葉淇は赤ちゃんが生まれる気配がないことに気付いた。

二人は考えた。先に結婚式を挙げてしまおうか？

そして結果は……

結婚式当日。

それまで全く陣痛もなく、出産の兆しも見せなかった葉淇に、突然反応が！

しかも神聖な純白のウェディングドレスを着て、レッドカーペットを歩き終え、まさに陸厲沉と共に神父の前で厳かに誓いを立てようとしていた時、突然お腹が痛み出した。

陸厲沉はすぐに葉淇の異変に気付いた。

彼は即座に心配そうに「どうした？産まれるのか？」

葉淇は頷いて「たぶん！」

「今すぐ病院へ行こう！」

彼は即座に純白のウェディングドレスを着た葉淇を抱き上げ、外へ走り出した。

神父は後ろから追いかけながら、「新郎新婦の皆様、まだ誓いの言葉を交わしていませんし、式も終わっていません……」

陸厲沉は「妻が出産です！」

神父は驚愕した。

彼はすぐに生まれてくる新しい命のために祈りを捧げ、敬虔な様子を見せた。

そして陸厲沉の後を追いかけながら、「では新郎、あなたは葉淇さんを妻として迎えることを誓いますか？」

「これからの人生、貧しくても豊かでも、若くても年老いても、病める時も死に至るまで、彼女を愛し、大切にし、永遠に変わらぬ愛を捧げることを誓いますか？」

陸厲沉は「誓います！」

神父は追いかけるのに疲れていた。

息を切らしながら追いかけ続け、今度は葉淇に尋ねた。「新婦の葉淇さん、あなたは陸厲沉さんを夫として迎えることを誓いますか？」

「これからの人生、貧しくても……」

激しい陣痛が襲ってきた。

葉淇は陸厲沉の腕をしっかりと掴み、叫び声を抑えた。

彼女は我慢しながら。