第66章 魅了する美しさ

彼は彼女にこのことを知られたくなかった。

  しかし、もう遅かった。夏星河の姿がパーティー会場の入り口に現れ、多くの人々が彼女を見ていた。

  そのとき、席霖の小さな頭に閃きが走った。彼は瞬時に駆け寄り、夏星河の手を掴んだ。

  夏星河は驚いて下を向いた。母子の似通った大きな目が突然合った!

  これは3年ぶりの再会だった。

  また、席霖が物心ついてから初めての対面でもあった。

  彼が成長してから、夏星河との初めての出会い……

  しかし、この一目で夏星河は彼を認識した。

  彼女は自分の手を引く小さな人影を驚きの目で見つめ、目に輝きが宿った。

  枯れ井戸のように静かだった心に、波紋が広がった。

  突然彼女の手を引いたこの子供が霖ちゃんだとは、思いもよらなかった。