第91章 人類という種を超越した

「実は私一人でできるんです。雑用が多いから、あなたと智ちゃんに手伝ってもらっているだけです」

「夏さん——」蕭墨はもう我慢できずに立ち上がり、かなり取り乱して尋ねた。「あなたは本当にコンピューター技術を理解しているんですか？全く分かっていないんでしょう。コンピューターの人材を育てるのに何年かかるか知っていますか？簡単なアンチウイルスソフトを開発するのに、どれだけ大きなチームが、どれだけの時間をかける必要があるか分かりますか？これは麻雀でも、ゲームでも、喧嘩でもないんですよ！」

「ぷっ、はは、はははは……」夏智が突然抑えきれない大笑いを爆発させた。蕭墨は彼を見つめ、表情はさらに険しくなった。

彼は夏智が何を笑っているのか分からなかったが、自分のことを笑っているような気がした。

この姉弟は頭がおかしいんじゃないか？

蕭墨はそう疑わざるを得なかった……

「もういいわ」夏星河は夏智を一瞥し、彼の笑いを止めさせた。

彼女は蕭墨に向かって言った。「成功するかどうかに関わらず、この5日間はただ私が割り当てた仕事に専念してくれればいいの。もし成功しなかったら、その時にこれらの言葉を私に言ってくれても遅くないわ」

「でも……」

「蕭にいさん」夏智は彼の言葉を遮り、自分の頭を指さして言った。「姉さんと議論しても無駄だよ。彼女のここは人とは違うんだ」

そうだ、彼も彼女の頭がおかしいと思っていた！

おそらく夏星河は頭がおかしいから、こんな途方もないことを考えつくのだろう。

夏智はきっと彼女の馬鹿げた行動に付き合っているだけだ。

まあいいか、彼女も彼を助けてくれたんだし、数日間付き合ってやろう。そのうち彼女が成功しないことが分かれば、自然と諦めるだろう。

蕭墨のいいところは、物事にこだわらず、きっぱりしているところだ。

これも夏星河が彼を評価している点だった。

今、彼は夏星河の馬鹿げた行動に付き合うことにしたが、本当に馬鹿げたことをするわけではない。夏星河が割り当てた任務については、すべて真剣に完遂するつもりだ。

なぜなら、夏星河はどう言っても彼の恩人だからだ。たとえ彼女を信用していなくても、全力で彼女を助けるつもりだ。