蕭墨も心配そうに言った。「とりあえず様子を見てみましょう。夏さんが作ったソフトウェアは、そう簡単には破れないはずです。」
「分かりました。私たちも崔氏のソフトウェアを破るのに全力を尽くしましょう。」
「はい!」
二人は再び作戦に集中した。
彼らは登場するとすぐに、崔氏の金剛アンチウイルスソフトだけを攻撃し始めたが、これほどの時間が経っても破ることができなかった。
今回の崔氏は本当に準備万端で来ており、その実力は侮れないものだということが分かる。
夏智の実力が足りず、これほどの時間が経ってようやく金剛ソフトの第一防御を破ることができた。
一方、そのETは登場してわずか数分で、Xマネージャーの第一防御を破ってしまった!
夏智は彼の戦績を見て、焦りを隠せなかった。「どうしよう、やっぱり彼はただものじゃない。姉さんがいれば、崔氏はとっくに負けているはずなのに!」
蕭墨も同じように考えていた。
しかし、夏星河は警察に連行されてしまい、彼女を救い出す方法がなく、ここで踏ん張るしかなかった。
最初は勝利の希望がまだ少しはあった。
しかし今、崔氏が人を交代させ、そのETの実力があまりにも驚異的だったため、彼らの勝利の希望は一瞬で消えてしまったようだった。
疑う余地もなく、彼と夏智はETの相手にはならなかった。
蕭墨はプログラミングが得意だったが、優秀なハッカーではなかった。彼の実力は夏智よりほんの少し上というレベルだった。
そしてそのETは明らかに彼らを秒殺していた。
いや、彼は会場のハッカー全員を秒殺しているのだ。
これほど多くのハッカーが彼の相手にならないのなら、彼は必ず彼らのXマネージャーを破ってしまうだろう!
あっという間にまた10分が過ぎ、ETは再びXマネージャーの第二防御を突破することに成功した。
もう少しすれば、すべての防御が彼によって破られてしまうだろう!
「なんでこんなに凄いんだ?」夏智は焦って頭から汗が吹き出していた。「これは姉さんが開発したものなのに、まさか彼が姉さんより凄いってことはないよね?」
「僕にも分からない……」蕭墨の声にも焦りが滲んでいた。