第105章 崔銘が我慢できなくなった

崔銘は横を向いて助手に指示した。「今日の全ての参加ソフトウェアの資料を持ってきてくれ。」

　　「はい。」助手はすぐに資料を彼に手渡した。

　　崔銘は資料を手に取って目を通し、すぐに'Xバトラー'の情報を見つけた。

　　やはり、新しく登録された会社が開発したソフトウェアで、この会社は登録してから1週間も経っていなかった！

　　そして法定代表者は……

　　崔銘は目を見開き、目の奥に血に飢えた鋭さが閃いた。

　　法定代表者なんと蕭墨だった！

　　このソフトウェアは確かに彼と関係があった！

　　崔銘は突然蕭墨を見つめ、目は炎のようだった。誰も知らなかったが、この瞬間の彼の心の衝撃がどれほど大きかったかを。

　　彼は蕭墨がもはやより良いソフトウェアを作れないと思っていた。たとえできたとしても、今や絶頂期にある崔氏には絶対に及ばないと。

　　しかし……今や彼は明らかに危機感を感じていた！

　　これまで崔氏と互角に渡り合えるソフトウェアは一つもなかった。

　　もしXバトラーが蕭墨一人で開発したものなら、彼はあまりにも恐ろしすぎる。この考えが浮かぶと、崔銘の心には一気に殺意が湧き上がった。

　　蕭墨という人間は、もう生かしておけない！

　　そしてXバトラーも彼らの金剛を打ち負かすなんて夢のまた夢だ！

　　崔銘は冷たく鼻を鳴らし、冷冷と助手に指示した。「行け、ETを出場させろ……」

　　すぐに、競技エリアの人が入れ替わった。

　　身長が少なくとも185cm以上、完璧なプロポーションで、黒いスポーツウェアを着て、黒いキャップをかぶった男性が登場した。

　　彼の出現は大きな波紋を呼ばなかったが、多くの人が彼が単なるハッカーではないと感じた。

　　「あれは崔氏が呼んできたハッカーだ。」席牧白の隣に座っていた唐俊廷が突然説明した。

　　「崔銘がじっとしていられなくなったようだ。あのXバトラーが彼に大きなプレッシャーを与えたんだ。さらに面白いのは、Xバトラーの開発者と崔銘の間の恨みが小さくないことだ。」

　　席牧白は彼を見て、思慮深げな表情を浮かべた。「詳しい状況を聞かせてくれ。」