規模の大きなハッカーコンテストは、今や完全に夏星河とETの個人戦になっていた。
他のハッカーは誰も気にしなくなった。
全員が彼ら二人にだけ注目し、緊張して結果を待っていた。
夏智と蕭墨はもうパソコンを操作せず、二人とも夏星河の傍に立ち、彼女のパソコン画面を一瞬も目を離さずに見つめていた。
2分間で、夏星河は金剛の第一防御を突破した!
会場は一瞬にして騒然となった——
彼女はたった2分で第一防御を突破したのだ!
会場のハッカーたちは皆実力者だが、彼らの中で最短でも10分かかって第一防御を突破したというのに。
それなのに彼女はたった2分で……このスピードは異常すぎる!
夏智と蕭墨は興奮のあまり拳を握りしめ、夏星河に声援を送りたくてたまらなかった。
彼女の邪魔をしたくないからこそ、興奮して叫び出さなかっただけだ。
しかし、彼ら二人の気持ちとは違い、崔銘は歯をギリギリと噛みしめていた!
彼は夏星河がこれほどコンピューターに精通し、こんなに強いとは夢にも思わなかった。
わずか2分が経過しただけで、崔銘は頭上から巨大な圧力を感じ、額には思わず汗が滲み出ていた。
彼だけでなく、他の人々も非常に驚いていた。
王社長は思わず歓声を上げそうになった。彼は夏星河に「よくやった、続けろ!」と言いたくてたまらなかった。
唐俊廷は席牧白との会話を終えたばかりで、夏星河が金剛の第一防御を突破したという情報を見た瞬間、驚きのあまり目を見開いて、信じられない様子だった。「彼女が、本当にこんなに凄いなんて……」
席牧白は早くから夏星河の実力を予想していたが、この瞬間でも驚きと喜びを感じずにはいられなかった。
ソファにだらしなく寄りかかりながら、彼は夏星河を邪悪な目つきで見つめ、深く熱のこもった瞳で、口元には抑えきれない邪悪な笑みが浮かんでいた。
彼と同様に、ETも目を輝かせていた。
彼はあの女性が並外れていることを知っていた。案の定、期待を裏切らなかった。
相手が強ければ強いほど、ETの闘志は燃え上がり、キーボードを操る両手もますます速くなっていった。同様に、夏星河のスピードもどんどん上がっていった。
カタカタカタカタ——