第112章 あまりにも規格外だ!

規模の大きなハッカーコンテストは、今や完全に夏星河とETの個人戦になっていた。

  他のハッカーは誰も気にしなくなった。

  全員が彼ら二人にだけ注目し、緊張して結果を待っていた。

  夏智と蕭墨はもうパソコンを操作せず、二人とも夏星河の傍に立ち、彼女のパソコン画面を一瞬も目を離さずに見つめていた。

  2分間で、夏星河は金剛の第一防御を突破した!

  会場は一瞬にして騒然となった——

  彼女はたった2分で第一防御を突破したのだ!

  会場のハッカーたちは皆実力者だが、彼らの中で最短でも10分かかって第一防御を突破したというのに。

  それなのに彼女はたった2分で……このスピードは異常すぎる!

  夏智と蕭墨は興奮のあまり拳を握りしめ、夏星河に声援を送りたくてたまらなかった。

  彼女の邪魔をしたくないからこそ、興奮して叫び出さなかっただけだ。

  しかし、彼ら二人の気持ちとは違い、崔銘は歯をギリギリと噛みしめていた!

  彼は夏星河がこれほどコンピューターに精通し、こんなに強いとは夢にも思わなかった。

  わずか2分が経過しただけで、崔銘は頭上から巨大な圧力を感じ、額には思わず汗が滲み出ていた。

  彼だけでなく、他の人々も非常に驚いていた。

  王社長は思わず歓声を上げそうになった。彼は夏星河に「よくやった、続けろ!」と言いたくてたまらなかった。

  唐俊廷は席牧白との会話を終えたばかりで、夏星河が金剛の第一防御を突破したという情報を見た瞬間、驚きのあまり目を見開いて、信じられない様子だった。「彼女が、本当にこんなに凄いなんて……」

  席牧白は早くから夏星河の実力を予想していたが、この瞬間でも驚きと喜びを感じずにはいられなかった。

  ソファにだらしなく寄りかかりながら、彼は夏星河を邪悪な目つきで見つめ、深く熱のこもった瞳で、口元には抑えきれない邪悪な笑みが浮かんでいた。

  彼と同様に、ETも目を輝かせていた。

  彼はあの女性が並外れていることを知っていた。案の定、期待を裏切らなかった。

  相手が強ければ強いほど、ETの闘志は燃え上がり、キーボードを操る両手もますます速くなっていった。同様に、夏星河のスピードもどんどん上がっていった。

  カタカタカタカタ——