第123章 天才の思考回路

夏星河は目を瞬かせた。「何を見てるの?」

  「姉さん、5分も経たずに交渉がまとまったの?」夏智は疑わしげに尋ねた。

  夏星河は頷いた。「うん、まとまったわ。蕭墨が明日契約しに行くわ。契約書を見たけど、問題ないわ」

  「……わかりました」蕭墨は心の中で突っ込みたい衝動を抑えた。

  しかし、夏智は抑えきれなかった。「姉さん、こんな大きな取引を5分で決めちゃうなんて、軽すぎじゃない?席牧白に騙されないか心配だよ」

  「何を騙されるっていうの?」夏星河は反問した。

  「……」夏智は言葉に詰まった。そうだ、何を騙されるというのだろう?

  彼らには騙される要素なんてない。席牧白が協力してくれるだけでも喜ぶべきことなのだ。

  利益に関しても、どれだけでも彼らにとっては儲けなのだ。