第186章 彼女ともっと話したい

夏星河は少し驚いた。彼がそんなことを言うとは思わなかった。

  席牧白は深刻な表情で彼女を見つめ、「信じてくれ」と言った。

  「席家全体と対立することを恐れないの?」と彼女は冷静に尋ね返した。

  席牧白は不敵に口元を歪めた。「必要な時には、俺が席家全体を代表することになる」

  彼はこれで、全員を強硬手段で押さえ込むつもりだった……

  席牧白のことは愛していないが、最初は子供と離れたくないと言っていた彼が、今では無条件で子供を彼女に渡すと言ってくれたことに、心の中では感謝していた。

  でも、彼にそんなことをさせるわけにはいかなかった。

  霖ちゃんはいずれ席家に戻ることになる。席牧白は彼唯一の強力な後ろ盾だ。席牧白に全員の敵を作らせるわけにはいかない。結局それは何の得にもならないのだから。