「はい」夏星河は頷いた。30分待つのは全然問題ない。
どうせ今日ここに来たのは、子供に会うだけでなく、席おじいさまにも会うためだった。
「おばあさまはどこですか?」席牧白は突然使用人に尋ねた。
「おばあさまは裏庭におられます。若様、お会いになりますか?」
「いいえ、私からはお邪魔しません」席牧白の言葉が終わるや否や、ある女性が突然入ってきて言った。「お邪魔なんてとんでもない。昨日もおばあさまがあなたのことを話していたわ。きっとあなたにお会いしたがっているはずよ」
席牧白と夏星河が振り向くと、髪をきっちりとまとめ上げた、27、8歳くらいの女性が入ってくるのが見えた。
夏星河はこの女性に少し見覚えがあった。
彼女は席おばあさまが養子として迎えた孫娘で、名前は雲若冰という。その名の通り、人に与える印象は冷たいものだった。