「えっ?!」
みんな愕然とした。夏星河が、雲若冰が彼女のデザインを盗んだと言ったのだ……
「夏星河、人を誹謗中傷するな。言葉には証拠が必要だ!」雲若冰は怒って反論し、少しの動揺も見せなかった。「私があなたのデザインを盗んだって?私こそあなたが私のを盗んだと言いたいわ!こんな短期間で、あなたにこんなデザインができるの?この間、あなたは何もしてなかったじゃない。」
「そうよ、何もしてなかったのに、どうやってこんなデザインができるっていうの?」席の母は夏星河を全く信じていなかった。「あなたはただ騒ぎを起こしに来ただけでしょう。若冰を中傷したところで、誰もこのデザインがあなたのものだなんて信じないわ。」
「これは元々姉さんが作ったデザインで、雲若冰に盗まれたんだ。」夏智は不服そうに反論した。
楚天心は突然冷笑した。「じゃあ、証拠を出してください。夏星河、証拠がないなら、若冰はあなたを窃盗罪で訴えることだってできるわ!」
雲若冰はそれを聞いて、得意げに笑った。「夏星河、証拠を出せるの?出せないなら、あなたが私のデザインを盗んだってことになるわ!だって、ここにいる全員がこれは私のデザインだと信じてるし、誰もあなたのデザインだなんて信じないわ。」
「私は信じます。」席牧白が突然低い声で言った。
彼が口を開くと、みんな驚いた。
席の母は眉をひそめた。「牧白、あなた本当に彼女を信じるの?これは明らかなことじゃない、デザインは若冰のものよ。夏星河のものなら、なぜ早く若冰の正体を暴かなかったの?わざわざ若冰が完成させるのを待ってから言うなんて?明らかに彼女には作れなくて、厚かましくも若冰のデザインを奪おうとしてるのよ。」
席牧白は無表情で冷たく言った。「私が夏星河を信じるのは、彼女の能力を見たことがあるからだ。このようなデザイン、雲若冰にはとても作れない。」
「ありえないわ。若冰はこれを専門に学んできたのよ。何年も研究を重ねてきたわ。これは彼女のデザインに決まってるわ。それに比べて夏星河は何もできない。まして1ヶ月でデザインなんてできるはずがないわ。」席の母のこの言葉は、多くの人の心の声を代弁していた。
彼らにとって、雲若冰は有能で、夏星河は無能だった。