第237章 雲若冰のを使おう

「私もこれは夏さんのデザインだと信じています……」羅俊も付け加えた。

しかし、夏星河を信じているのは彼ら3人だけだった。

突然、雰囲気が重くなり、両サイドの人々は対立するような形になり、誰も負けを認めたくないようだった。

しかし、たとえ席牧白が夏星河を信じていても、それは無意味だった。なぜなら、夏星河にはこれが彼女のデザインだという証拠がなかったからだ。

「誰のものであれ、我々は手術の時間を無駄にしたくありません」陸祈が突然口を開き、この深刻な雰囲気を断ち切った。彼は直接席おじいさまに尋ねた。

「おじいさま、我々はすぐに手術を始めなければなりません。どちらのデザインを使うか決めてください」

席おじいさまは一瞬躊躇した。

彼はこれが雲若冰のデザインだと信じていたが、この重要な時期に、誰を選ぶべきか分からなくなっていた。

結局のところ、彼はいかなるリスクも冒したくなかった……

「おじいさま、もし私夏星河を信じていただけるなら、私のを使ってください」夏星河が突然静かに言った。

席おじいさまは彼女を見つめて何も言わなかったが、明らかに迷っていた。

「おじいさま、私のデザインに問題はありません。ご覧になったとおりです。夏星河のものが私のと同じだからこそ、彼女はそんなに自信を持って使ってもらおうとしているんです。どちらを使っても同じだからです」雲若冰はすぐに彼に説明した。彼が夏星河のを選ぶのを恐れていた。

夏星河は突然冷ややかに笑った。

彼女は冷たく雲若冰を横目で見て、「誰があなたのと同じだって?あなたごときが私と同じレベルに達せるわけがない?ある意味では確かに同じかもしれない。なぜなら、どちらも私がデザインしたものだから!一つは間違った図面で、もう一つは正しいものだけど」

「夏星河、あなたは傲慢すぎる。私のものを盗んでおいて、逆に私を誹謗中傷するなんて、許せないわ!」雲若冰は怒って叫んだ。それによって、彼女こそが被害者だと人々にさらに信じさせた。

なぜなら、心に負い目がなければ、こんなに正々堂々と怒ることはないだろうから。

夏星河は突然彼女に拍手喝采したくなった。