第312章 まるで冗談のよう

「必ず席家の訴訟を取り下げさせると誓います」夏星河は断固として言った。

葉深はようやく満足げな表情を浮かべた。「私と協力する必要があるわ。だって終末が来るんだから、ここで死にたくないでしょう」

「もしあなたがその時まで生きていられるなら、協力してもいい。ただし、あなたの言うことが全て本当だという前提でね」

なぜか、葉深は彼女の言葉一つ一つに説得力があると感じた。

彼女は強力な証拠や約束を示さなかったが、彼は何故か彼女を信じることを選んだ。

そもそも今、信じないという選択肢があるのだろうか?

終末まであと15年。

彼は時間をここで無駄にするわけにはいかない。早めに準備をしなければならない。

出所後は何も持っていないだろうが、ここに閉じ込められているよりはましだ。

それに……