葉深は一瞬固まった。
「それに、あなたと私の父は30年前に同時に現れ、12年前に同時に消えたのはなぜだと思わなかったの?」
「……」
「あなたが知らないことがたくさんあるわ。ほんの一部しか知らないのよ」
葉深の顔色が一層暗くなった。
夏星河は軽く笑って言った。「だから真実は、必ずしもあなたの言う通りではないわ。真相が分かるまでは、どんな説明も信用できないの」
「私は信じている!」葉深は彼女を見つめて言った。「これは全て父が私に話してくれたことだ。父は私を騙すはずがない。もう地球を離れたんだ!」
「それが本当だとしても、終末が本当に来るの?終末論は昔からずっとあったわ。もしかしたら、これは彼らの妄想かもしれない。でも、彼らが持っている情報や行動は、きっと並大抵のものじゃないと思う。私は全てを解明するわ。真実を知りたければ、協力してちょうだい。今すぐ、あなたが持っているエネルギーブロックはどこにあるの?」
葉深はニヤリと笑った。「それは死んでも言わないよ。これは私の最後の切り札だ。終末が来たら、自然と出すさ。今、渡すなんてありえない」
「そんなに非協力的?」夏星河は冷笑した。「私は終末なんて信じないわ。協力しないなら、ここで一生を過ごすことになるわよ!」
「君は私を信じるようになる。ここにずっといても構わないさ。君は必ず私を訪ねてくる。私が持っているエネルギーブロックが必要だからね」葉深は非常に自信満々に言った。
夏星河は冷たい目で彼を見つめた。「いいわ、ここで一生を過ごしなさい!」
実際、彼女も彼を外に出すつもりなど全くなかった。
交渉は失敗に終わり、夏星河は即座に立ち去った。どうせ必要な情報は十分得られた。あとは真相を解明するだけでよかった。
エネルギーブロックが手に入るかどうかは、彼女にとってどうでもよかった。
なぜなら、彼女は地球に終末が来るなんて信じていなかったし、仮にあったとしても今ではない!
……
しかし夏星河が知らなかったことに、彼女が去ってまもなく、数人の謎の人物が葉深の収容されている刑務所にやって来た。
彼らは何の妨げもなく、秘密の通路を通って、葉深の独房に入った。
葉深はベッドに衰弱して横たわり、うとうとと眠りかけていた時、突然鉄の扉が開く音が聞こえた。