彼は夏夢の人生を台無しにしただけでなく、離婚に際して夏夢から大金を要求している。
2000万でさえ少ないと言っているのだ。
夏星河は本当に不思議に思った。彼に恥という概念があるのだろうか?
きっとこいつは人間じゃない、人間性のない畜生に違いない!
「じゃあ、いくら欲しいんだ?」夏星河は冷たく問い返した。まるでいくら払っても構わないような口ぶりで。
葉深は興奮した様子で彼女を見つめ、片手を掲げた。「この数字だ。」
「5000万?」
「さらにゼロを一つ加えて。」
5億、なんと5億を要求しているのだ!
「銀行強盗でもするつもりか?」夏星河は嘲笑いながら問い返した。
葉深は不思議そうに瞬きをした。「多いのか?この程度の金額は席家にとっては九牛の一毛だろう。夏夢、よく考えてみろよ。金を払って俺と離婚するのは損じゃない。席牧白は今独身だって聞いている。婚約も破棄したらしい。俺と離婚すれば、お前には彼を掴む機会があるんだぞ。だからこの取引は、お前にとって損な話じゃない。」