夏星河は仕方なく頷き、ベッドに戻って休むことにした。
席牧白は彼女が横になるのを手伝い、布団をかけてあげた。
「眠りなさい。今は何も考えないで」と彼は彼女を慰めた。
夏星河はうんと返事をして、目を閉じた。
すぐに、彼女の呼吸は規則正しくなった……
席牧白はベッドの端に座って彼女をずっと見つめていた。彼女が寝たと思い、頭を下げて、そっと、慎重に彼女の額にキスをした。
ただ一つの優しいキスだけで、彼は彼女から離れた。
もう一度優しく彼女を見つめ、席牧白はようやく立ち上がって、ついでにドアを閉めた。
しかし彼が知らなかったのは、ドアが閉まった時、夏星河も目を開けていたことだ。
席牧白が彼女にキスした時、彼女は眠っていなかった。
今日2回もキスされたことを思い出し、夏星河の気持ちは何故か複雑になった。