第338章 彼のことを少し気にかけ始めた

夏星河は少し驚いて……

彼がそんな言葉を口にするとは思わなかった。

全てを尽くして彼女を助けると。

席牧白の口からそんな約束が出るということは、それだけ彼が真剣だということだ。

夏星河は目を揺らめかせ、低い声で言った。「安心して、私も協力するわ。一緒に今回の危機を乗り越えましょう」

「ありがとう!」席牧白は笑顔で頷いた。

彼は心から嬉しかった。夏星河が自分のことを考えてくれているのを感じられたから。

ここまで来るのは本当に大変だった。

彼女の心に、ようやく自分への想いが芽生えてきた……

そして彼は先ほどのキスを思い出した。彼が彼女にキスをした時、彼女は拒絶はしなかった、ただ驚いただけだった。

確かに彼らは夫婦として、一度か二度の親密な関係を持ったことがある。

でもあの時は、ただ欲望に突き動かされていただけだった。

しかし今回のキスは欲望ではなく、愛だった。だから、彼女を驚かせてしまったのだろう。

席牧白も強引になりすぎないように気をつけた。今日、彼女にキスができただけでも十分満足だった。

他のことは焦らずゆっくりと。

彼女を尊重し、大切に思うからこそ、こうして彼女の気持ちに配慮していた。

そして彼女が普通の女性ではなく、夏星河だからこそ、軽々しく接することができなかった。

「封家と対抗する前に、まずは体を治してください。今日目覚めたばかりなんだから、無理はせず、しばらく休んでからにしましょう」席牧白は優しく彼女に言った。

夏星河は休むつもりはなかった。「大丈夫よ、体調が悪ければ無理はしないわ。それより、夏夢は?」

「彼女の体はもう使えなくなって、私たちは彼女の記憶を植物人間の脳に移しました。メモリーセルが彼女の意識を修復すれば、目覚めるはずです。そうそう、彼女があなたの言っていたエネルギーブロックを私に渡して、あなたに届けてほしいと」

夏星河は頷いた。「それならいいわ。彼女が渡したエネルギーブロックは役に立つわ。必要な時には封少煌と戦うために使えるでしょう」

席牧白もそのことを考えていた。「封少煌は葉深が一つしか持っていないと思っているんですよね?それを利用できそうです」

「そうね。でも彼が葉深が隠した残りの2つを見つけることが心配だわ」