第343章 侵入者、来たり!

夏星河は彼の隣に座り、素早くパソコンを操作していた。

豪華な防弾車の中には、専用のパソコンデスクが設置されていた。

車は速く、しかも安定して走っていた。

これは夏星河のパソコン操作を大いに助けていた……

席牧白が素早く指示を出し、夏星河も同様に、港の監視システムへの侵入に成功した。

「どうだ?」彼は電話を置き、横を向いて低い声で尋ねた。

「監視カメラは正常です。今のところ問題は見当たりません。」

「だが、奴らは今夜動くはずだ。」席牧白は低い声で言った。長引けば長引くほど良くないからだ。

夏星河は頷いた。「今夜行動を起こせば、必ず気付きます。」

そう言った直後、彼女は画面の異常に気付き、夏星河は思わず笑みを浮かべた。「来ました!」

侵入者が、来たのだ!

隠された一室で、金縁の眼鏡をかけた男が大型コンピューターの前で、港の監視カメラの映像を改ざんしていた。

彼の動きは熟練しており、すぐに監視カメラの映像を完全に改ざんした。

「できた!」男は得意げに口元を歪め、窓際に立つ背の高い男に向かって言った。「社長、監視カメラの改ざんは完了です。」

背の高い男は頷き、冷たい声で言った。「よくやった。すべて予定通りに進めろ。」

「はい!」傍らに立つ黒服のボディーガードは恭しく頷いた。

彼らの計画は、夜が更けて人気のない時間を狙って、武器をコンテナに隠すことだった。

もちろん、それを実行するには、まず監視カメラを改ざんする必要があった。

今、港の警備員たちは、自分たちが見ている映像が偽物だとは知らず、本物の映像は何も見えていなかった。

しかし、夏星河たちには見えていた……

席牧白の車は港の近くの人目につかない場所に停まっていた。

彼は画面を見つめ、厳しい表情で言った。「やはり奴らは今夜動くな。今度こそ、二度と戻れないようにしてやる。」

「直接捕まえますか?」夏星河が尋ねた。

席牧白は邪悪な笑みを浮かべた。「それじゃつまらない。内通者も一緒に炙り出してやる。」

夏星河は軽く笑った。「私もそう思っていました。では、ゆっくり見物させていただきましょう。」

「ああ。」席牧白は彼女と視線を交わし、お互いにしか分からない心が通じ合った笑みを浮かべた。

…………

夜はますます深くなっていった。