第359章 席家の全財産

封少煌の目の奥に暗い光が走り、探るように尋ねた。「林さんも席家に不満があるのですか？」

林芸も賢く反問した。「どうして？封にいさんも彼らに不満があるの？」

封少煌は笑って言った。「私にそんな勇気はありません。でも、あなたもご存知でしょう、長年密かに抑圧されることがどれほど辛いことか。我が封家の力が及ばないだけのことです、仕方のないことです。」

林芸は当然、席家と封家が反目し合っていることを知っていた。

彼女はそのことがあって封少煌を訪ねてきたのだ。

林芸は惜しむように言った。「封にいさん、実は私から見れば、あなたは席家の席牧楠よりずっと優れています。なぜ彼が『飛龍部隊』を指揮できて、あなたができないのでしょうか。」

「それは上からの決定です。私にどうこうできることではありません。」封少煌は淡く微笑んで、「でも、あなたがそう理解してくれるとは思いませんでした。」

封少煌のこの言葉に込められた意味を、林芸はすでによく理解していた。

彼は席家が飛龍部隊を指揮できて、自分にはできないことに不満を持っているのだ。

林芸は微笑んで言った。「でも封にいさんも落胆する必要はありません。もしお気に召さなければ、私があなたを手助けできますよ。」

封少煌の瞳が光った。「あなたが私を助けられる？」

林芸は得意げに頷いた。「そうです。封にいさんもご存知でしょう、私の林家は建国の功臣の家柄で、祖父はまだ引退していません。林家の一言があれば、封にいさんを助けることなど難しくありません。」

封少煌は直ちに真剣な様子になった。「ただ、どのように助けていただけるのでしょうか？もちろん、力を貸していただけるなら、私、封少煌は必ず恩に報いさせていただきます。」

林芸はまさにこの言葉を待っていた。

彼女は封少煌を見つめ、不気味な笑みを浮かべながら尋ねた。「封にいさん、お手伝いする前に、あなたが本当に席家を超えたいと思っているのか確認させてください。結局、やる気のない人とは協力できませんからね。」

封少煌は笑みを浮かべ、瞬時に冷たい雰囲気を漂わせた。「私は席家を踏み台にして上に立ちたい、どんな代償を払ってもいい、この考えで十分ですか？」

林芸はくすくすと笑った。「十分です、もちろん十分です。封にいさんと私たちの志が同じなら、協力しましょう。」