そのため席牧白は傍観者でいられず、全力を尽くさなければならなかった。
さもなければ、席家は終わりを迎えることになる。
……
夏星河は夜になってようやく目を覚ました。
目を開けると、席牧白が壁際のソファに座って、書類に集中している姿が目に入った。
彼の頭上には柔らかな壁灯が一つだけ点いており、眩しくない光を放っていた。
書類をめくる音も微かで、ほとんど聞こえないほどだった。
夏星河は彼の端正で深みのある顔立ちを見つめ、一瞬うっとりとしてしまった。
「目が覚めた?」彼女の視線に気づいた席牧白が顔を上げ、魅惑的な微笑みを浮かべた。
夏星河はまた一瞬うっとりとしてしまった。
認めざるを得なかった。席牧白は美しすぎる...国を滅ぼすほどの美貌の持ち主だった。
体を起こしながら、夏星河は淡々と尋ねた。「何時?」