「嫌疑をかけているかどうかなんて、私に言うな。私は法に基づいて任務を遂行しているだけだ。問題があるなら、軍事法廷で裁判官に言え。誰か、席牧白を逮捕して連行しろ!」
「誰も手を出すな!」封少煌の言葉が終わるや否や、席おじいさんが厳しい声で叫んだ。
彼の威厳は依然として健在で、この一喝で、確かに封少煌が連れてきた部下たちは動きを止めた。
席おじいさんは二歩前に出て、鋭い眼差しで封少煌を睨みつけた。「お前たちが埠頭で軍需品を見つけたからといって、必ずしも我が席家と関係があるとは限らない。誰かが故意に席家を陥れようとしているかもしれないだろう!」
席おじいさんは鋭い目で封少煌と対峙し、その言葉に込められた意味を、封少煌が理解できないはずがなかった。
彼は席家を陥れているのは封少煌だと考えていた。
しかし、それが彼だとしても、席家に何ができるというのか。
封少煌は得意げに笑いながら言った。「席おじいさん、たとえ嵌められたとしても、私に言うことじゃない。言っただろう、私は今、法に従って行動している。まさか、法に逆らうつもりか?!」
このような無礼な詰問に、席おじいさんは一瞬にして顔色を変えた。
封少煌は彼を恐れる様子もなく、瞬時に冷たい眼差しを向けた。「もし本当に違法に我々を止めようとするなら、あなたも一緒に逮捕させてもらうぞ!」
「封少煌、やり過ぎるな!」席江年が即座に前に出て老人を守った。「我が席家の前で、そんな傲慢な態度を取る資格などない!」
「席長官は官位で私を押さえつけようというのですか?」封少煌は新たな罪を着せようとした。
確かに席江年の官位は彼より上だが、封少煌も確かに法に基づいて行動しており、彼にも止める術がなかった。
封少煌が証拠を握っているからこそ、このように傲慢な態度を取れるのだ。
席家の人々を冷ややかに見渡しながら、彼は冷たく言った。「席牧白の罪の証拠は私の手にある。今から彼を逮捕する。席家の誰か、意見があるか?意見のある者は、法に基づいて処置する!」
「お前は...」席江年は怒りで顔を曇らせたが、確かに強引な行動は取れなかった。
彼らのような一族は、裏で何かをするのならまだしも、表立っては絶対に過ちを犯せない立場にあった。
しかし、このまま席牧白を連行させてしまっていいのか。