彼の話を注意深く聞いて、夏星河は問題がどこにあるのかだいたい分かった。
「試してみることはできます」と彼女は淡々と言った。
席牧楠は喜んで、「お義姉さん、もし私たちのこの問題を解決する方法があれば、何か望むものがあれば遠慮なく言ってください!私にできることなら、必ず叶えます」
夏星河は首を振った。「あなたを助けることは自分を助けることでもあります。何も見返りは必要ありません」
「分かっています。でも、それでも感謝しています」
「まだ何も助けていません。役に立ってから、その時にまた」
「はい!」席牧楠もこれ以上は何も言わず、直接、「お義姉さん、軍隊に入るのは少し面倒で、いくつか手続きが必要です。正規の手順を踏まなければなりません。とりあえず、外部採用者の身分で入ることができます」
「はい、どちらでも構いません」
こうして、席牧楠の手配により、夏星河はすぐに外部技術者として軍隊に入った。
この数日間、席牧楠の部下の兵士たちは少し元気がなかった。
前回の対決で負けたものの、彼らは諦めるつもりはなく、むしろより一層努力していた。
しかし、封少煌側の軍隊は士気が大いに上がっていた。
訓練にもより積極的で、進歩も早かった。
技術も優れているため、訓練の効率も良かった。
知らず知らずのうちに、席牧楠の軍隊に大きなプレッシャーを与え、多くの兵士たちが希望を失いかけていた。
このような気持ちの中で、訓練の効率が上がるはずもなかった。
閆逵は短気な性格で、現在の軍隊の状態に、毎日怒りを抑えきれなかった。
顧離は性格が良いが、それでも発散したい衝動に駆られていた。
唯一、席牧楠だけが冷静さを保っていた。指揮官として、彼だけは乱れてはいけない存在だった。
むしろ、問題を解決する方法を見つけ出さなければならなかった。
そして彼の方法は、一流の技術者を探して助けを求めることだった。
閆逵たちはそれを知って、皆期待に胸を膨らませ、その一流の技術者がどんな人物なのか気になっていた。
……
今日、席牧楠がその人を連れてくることになっており、閆逵たちは早くからオフィスで待っていた。
「どんな人物か分からないけど、でも隊長が凄い人だって言うんだから、きっと本当に凄いんだろうな」と閆逵は自信満々に言った。