霖ちゃんも彼女に隠さず、席牧楠と席おじいさんの会話の内容を大まかに話した。
「ママ、私はまだまだ力不足だと思います。みんなを助けたいのに、何もできないんです」霖ちゃんは少し悩ましげに言った。「パパは今家にいないし、二叔父さんは一人できっと大変です」
夏星河は彼を慰めて言った。「実は皆それぞれ大変なの。でも、みんな耐えられるし、うまく対処できるから、あまり心配しなくていいのよ」
「でも、曾おじいちゃんが言うには、二叔父さんは絶対に負けてはいけないって。チャンスは貴重で、二叔父さんが負けたら、彼の将来に大きな影響があるって」
「あなたの二叔父さんは負けないわ。きっと成功するはずよ」夏星河は確信を持って言った。
「本当?」
「ええ。彼を信じなさい。そして席家はそう簡単には倒れないということも信じなさい」
霖ちゃんはようやく笑顔を見せた。「ママ、その通りだね...」
彼女の慰めのおかげで、霖ちゃんの気持ちはずっと良くなった。
母子はしばらく話をして、通話を終えた。
夏星河は携帯を片付けながら、何か考え込んでいるようだった。
ちょうどそのとき、席牧白からも電話がかかってきた。
霖ちゃんと同じように、席牧白も毎日彼女に電話をかけていた。
席牧白はまだ海外にいて、その武器密売組織の追跡は難航していた。彼は今、手掛かりを見つけるためにあらゆる方法を試していた。
海外は国内とは違い、席牧白の行動はそれほどスムーズにはいかなかった。
しかし、今はいくらかの成果も出ていた。ただし、わずかな手掛かりを得るのにも、多大な労力と資金が必要だった。
しかし、裏での苦労を席牧白は夏星河に一切話さなかった。
なぜなら彼にとって、お金で解決できる問題は問題ではなかったからだ。
「霖ちゃんから聞いたんだけど、席牧楠の方の状況はあまり良くないの?」夏星河は電話で席牧白に尋ねた。
「ああ、少し問題があるんだ。今日君に話そうと思っていたことでもある。もしかしたら、君が牧楠を手伝えるかもしれない」席牧白は率直に言った。
夏星河は問い返した。「どうやって?」
その口調には、すでに異議がないことが表れていた。