第376章 牧楠を手伝えますか

霖ちゃんも彼女に隠さず、席牧楠と席おじいさんの会話の内容を大まかに話した。

「ママ、私はまだまだ力不足だと思います。みんなを助けたいのに、何もできないんです」霖ちゃんは少し悩ましげに言った。「パパは今家にいないし、二叔父さんは一人できっと大変です」

夏星河は彼を慰めて言った。「実は皆それぞれ大変なの。でも、みんな耐えられるし、うまく対処できるから、あまり心配しなくていいのよ」

「でも、曾おじいちゃんが言うには、二叔父さんは絶対に負けてはいけないって。チャンスは貴重で、二叔父さんが負けたら、彼の将来に大きな影響があるって」

「あなたの二叔父さんは負けないわ。きっと成功するはずよ」夏星河は確信を持って言った。

「本当?」

「ええ。彼を信じなさい。そして席家はそう簡単には倒れないということも信じなさい」

霖ちゃんはようやく笑顔を見せた。「ママ、その通りだね...」

彼女の慰めのおかげで、霖ちゃんの気持ちはずっと良くなった。

母子はしばらく話をして、通話を終えた。

夏星河は携帯を片付けながら、何か考え込んでいるようだった。

ちょうどそのとき、席牧白からも電話がかかってきた。

霖ちゃんと同じように、席牧白も毎日彼女に電話をかけていた。

席牧白はまだ海外にいて、その武器密売組織の追跡は難航していた。彼は今、手掛かりを見つけるためにあらゆる方法を試していた。

海外は国内とは違い、席牧白の行動はそれほどスムーズにはいかなかった。

しかし、今はいくらかの成果も出ていた。ただし、わずかな手掛かりを得るのにも、多大な労力と資金が必要だった。

しかし、裏での苦労を席牧白は夏星河に一切話さなかった。

なぜなら彼にとって、お金で解決できる問題は問題ではなかったからだ。

「霖ちゃんから聞いたんだけど、席牧楠の方の状況はあまり良くないの?」夏星河は電話で席牧白に尋ねた。

「ああ、少し問題があるんだ。今日君に話そうと思っていたことでもある。もしかしたら、君が牧楠を手伝えるかもしれない」席牧白は率直に言った。

夏星河は問い返した。「どうやって?」

その口調には、すでに異議がないことが表れていた。