第370章 辞令が突然変更された

夏星河は優しすぎる聖母のような人間ではなく、敵に対して決して容赦はしない。

席牧白も同様だ。

そして今回、彼らの敵は同じ相手だった。

当然、その者に良い結末は待っていない。

今は席牧白が情報を持ち帰るのを待つだけで、封少煌を一気に潰すことができる。

だから封少煌の良い日々は、長くは続かないだろう。

同様に、封少煌も席家の良い日々は長くは続かないと考えていた。

林家が介入し、彼に一つのチャンスを与えてくれたからだ。本来なら席牧楠を飛龍部隊の指揮官に任命する辞令が、突然変更されたのだ!

席牧楠と封少煌の同時任命に変更されたのである。

彼らはそれぞれ自分の部隊を訓練し、6ヶ月後に演習に参加する。より優秀な部隊を率いた方が唯一の指揮官となり、もう一方は副官となる。

つまり、本来席牧楠が手に入れるはずだったものが、突然、茹で上がったアヒルが飛び立とうとしているような状況になったのだ。