第419話 保釈された

しかし、彼らは誰一人そうしなかった。全員が彼女の味方に立った。

彼らは巻き込まれることも、彼女の罪が晴れないことも恐れなかった。

もし彼女の嫌疑が晴れなければ、これだけ多くの人々の将来に大きな影響が及ぶはずなのに。

そして彼らは一人一人、本来なら無限の可能性を持っていたはずだった。

このような巨大な誘惑の前で、彼らは全員が諦めることを選んだ。それは夏星河の心を深く動かした。

当然助けるべき席家がそうしたとしても、彼女は同じように感動していた。

なぜなら、席家が断固として彼女を助けることを選んだことで、より大きな犠牲を払うことになるから。

彼らは疑いをかけられるだけでなく、多くのものを失うことになる。

例えば席牧楠が競っている飛龍部隊の総指揮官のポストなど……

このポストは席家にとって極めて重要で、一度このポストを手に入れれば、栄光を数十年も延長できるほどのものだった。