第409章 戦闘機を指揮する

長い間見ていると、彼女はかなりの規則性を見出していた。

「実は、戦闘機にはそれぞれ一定の動きのパターンがあるの。次の瞬間の軌道を素早く判断できれば、事前に対応の準備ができるわ」と夏星河が突然冷たい声で言った。

席牧楠たちは彼女の声を急に聞いて、一瞬驚いた。

「お姉さん、何か規則性を見つけたんですか？」彼は喜びを隠せずに尋ね、遠慮なく「お姉さん」と呼びかけた。

閆逵たちも目を輝かせて彼女を見つめた。

この期間の付き合いで、彼らは夏星河の実力を完全に信じるようになっていた。

だから彼女の言葉は一つ一つ重みがあると感じていた。

夏星河は首を振った。「私も確信は持てないわ。物理と数学の公式で彼らのおおよその動きを計算できるだけ。でも必ずしも正確とは限らないわ」

「物理に数学？」閆逵は呆然とした。

この二つの科目は彼の悪夢だった！

戦って殺し合うのはいいが、こんな恐ろしいものは絶対に学びたくなかった。

「夏さん、計算できるんですか？」顧離は期待に胸を膨らませて尋ねた。

彼から見れば、夏星河の学識は非常に深いものだった。

物体の運動軌道を計算することは、彼女にとって難しいことではないはずだった。

夏星河は頷いた。「物体の運動軌道は多くの要因に関係していて、しかもこれは人為的に操縦される戦闘機だから、単純な公式では割り出せないわ。だから私にできるのは、ある時間帯での相手の動きを予測することだけ。しかもその時間帯はとても短いの」

「それで十分です！」席牧楠は興奮して言った。

「今は両陣営の実力差がそれほどないんです。先手を取れるかどうかの差だけなんです。お姉さん、どれだけ判断できるかは別として、私たちにとってとても大きな助けになります」

「その通りです、夏さん。どれだけ判断できるにしても、私たちにとって大きな助けになります」

夏星河は不思議そうに聞き返した。「私に指揮を取らせるの？」

「はい、試してみてください」席牧楠は断固として言った。

「こんな重要な演習で、軽々しく私に指揮を任せるなんて。それに私の判断が正確とは限らないわ」

もし彼女の判断を誤ったらどうしよう、そんな損失は負えない。

しかし席牧楠は彼女を完全に信頼していた。