第453章 拷問

夏星河と黎亞は一台の車に乗り込み、他の傭兵たちは後ろに続いた。

車の中で、オオカミさんは確信を持って尋ねた。「彼はクインを追いかけに行ったのか？」

山禾は冷笑いながら頷いた。「ああ、堂々とやってのけたな」

黎亞は心配そうに言った。「じゃあ、私たちも狙われるかもしれないの？」

「ない」と夏星河は答えた。「彼らは地下銀行から雇った傭兵だ。信用が必要だし、報酬も安くない」

「そう、こういう連中は金のためなら何でもするが、信用は何より大切にする。そうでなければ商売あがったりだからな」山禾は黎亞に説明し、黎亞はそれを聞いてようやく安心した様子を見せた。

「今からチャールズを救出しに行くの？」黎亞は再び尋ねた。

夏星河は頷いた。「救出するが、まず状況を把握しないと」

……

宿舎に戻ると、夏星河はすぐに調査を始めた。

バロンがいる軍営のシステムに侵入するのは、彼女にとって全く問題ではなかった。

軍営の監視カメラは比較的整っており、夏星河はすぐに刑務所を監視する映像を見つけた。

刑務所内の監視カメラは特に多く、おそらく危険人物を収容しているため、各部屋に監視カメラが設置されていた。

すぐに、夏星河たちはチャールズを見つけた。

「チャールズだ！これはチャールズだ！」一つの牢屋で全身血まみれの男を見つけ、山禾は叫んだ。

黎亞たちは緊張した面持ちで画面を見つめていた。

「チャールズよ！」黎亞は悲しそうに言った。「どうしてこんなに酷い目に遭わされているの？」

牢屋の中のチャールズは四肢を鎖で拘束されていた。

彼は死んだように壁にもたれかかり、頭を少し垂れ、髪と濃い髭が顔を隠していたが、おぼろげながら全体的な様子は見て取れた。

全身が傷だらけで、服はボロボロで、暗い赤色に染まっていた。

明らかに長い間拷問を受けていた様子だった……

「この一ヶ月、バロンは彼を拷問し続けていたのか？」柯瑞は怒りを込めて尋ねた。

「バロンを殺してやる！」オオカミさんは拳銃を抜いて飛び出そうとした。

「落ち着け！」山禾は彼を引き止めた。「今行っても無駄だ」

オオカミさんは激怒していた。「でもチャールズは拷問で死にそうだ！黙って見ているわけにはいかない！」

「バロンが入ってきた！」黎亞が突然叫んだ。

彼女の声に全員の視線が一斉に集まった。